月めぐり®︎ ネコのお告げ〜心・からだ・人生をゆるりと整える〜

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水の如く生きる〜礼記・老子・荘子・禅語の名言〜

上善如水,易経,荘子,老子,01

こんにちは易経マスター女史@木花です。

 

某俳優さんの自殺、感染者の増加
先の見えない経済状況
世の中の波乱でなんとなくザワザワした情勢にもかかわらず

なんとなく気持ちが凪の海のように穏やかで

それでいて
心の奥底では仄かな情熱を感じている今日この頃です。

それというのもこの半年間で
自分にとって何が大切なのか?が
より明確になってきたことが大きく影響しています。

皆さんはいかがでしょうか?

 

先人・古典の言葉から学ぶ

大自然の中に生きる私たち人間も=自然と考え
外(大自然から内(人)へと目を向け

陰陽思想・五行思想をはじめとする
自然哲学が生まれました。

 

古代の人は自然現象を見て人に通ずる「何か」を学び
それを書に記し
色々な学者がその教えを言葉に残しています。

今回のブログでは

古代中国の経典書物の
礼記」「老子」「禅語」より
現代の私たちにも参考になる
名言をご紹介したいと思います。

 

水から教わる「柔軟でしなやかな生き方」

礼記 表記」より

君子の接わり(まじわり)は水の如く、小人の接わりは醸(れい)の如し。
君子は淡くして以って成り、小人は甘くして以って壊(やぶ)る。

 

<意味>

君子(人格のある器の大きい人、人を導く徳のある人)というのは
水のように淡々としているので長続きする。
小人(感情に囚われる人・利己的な人、器の小さい人)のというのは
甘酒(醸)のようにベタベタし、依存しているので
やがて壊れてしまう。 

この言葉は
人との関わり合いの距離感を
私たちに説いてます。

人は、あまりにも親密になり過ぎると
そこに第三者の妬みや僻みがついて回ったり
または相手または自分がその関係に
いつの間にか依存をしがちです。 

付かず離れず
依存せず
持ちつ持たれつ
相手を尊重し
自分との適切な距離感を保つ

小人(器の小さい人間)は
そういう人付き合いの「機微」が読めないので
(または理解できてないので)

相手の欠点が目につきやすくなったり
相手を支配しようとたり
求められない(必要とされないこと)
など、自分の意にそぐわないと
一喜一憂しやすく
心が乱れやすくなります。

アルバイト、職場、家庭、サークルで
上手に付き合うためには
何事もほどほどが一番ということ^^

相手に深く関わるにはベタベタした関係ではなく
まず「信頼関係」を築くこと
そして距離感が大切なのですね(^-^)

 

水の教えの共通点〜易経孟子・禅語〜

孟子,荘子,上善如水,02
「水」にはこんな性質があります
*下に落ち(下に向かい)
 高いところから低いところに行く
*物を育み
*自己を主張せず
*状況に合わせてその形を変える(個体・気体・液体・形状)
*流れると清らかさを保ち
*留まると澱む

人に例えると・・・
→柔軟な姿勢であること
→他に利益を与える
→決しておごらない(謙虚)
→柔軟な姿勢
→積み重ねることで大きな物を動かし
→汚れや不要な物を清める、


この「水の性質」を捉えた
古典の名言を
いくつかご紹介しましょう。


老子上善如水(上善は水のごとし)」

お酒の銘柄にもなっているので
ご存知の方も多いのではないでしょうか?

この言葉の後にこう続きます。

上善は水の如し。
水は善く万物を利して争わず
衆人の悪む所に処る
故に道に幾(ちか)し。

 

<意味>
最上の善なるあり方は水のようなもの。
水は、あらゆる物に恵みを与え、
争うことがなく、誰もがみな厭だと思う
低いところに落ち着く。だから道に近い。

水は己の形に囚われることがありません。

多くのものに恵を与え
こだわりがなく、執着をせず
人の嫌がる低いところに身を置き
善良で、円満な生き方を説いてます。


易経
「水は流れて盈たず、険を行きてその真を失わざるなり。」

<意味>
川の水は常に流れているので、満ちあふれることはない。
もし険しい地形に突き当たっても
「低いところに流れる性質」を変えることはない。
だから、行手を阻まれない。

自然現象・自然の摂理を通し
易経の言葉が伝えたいのは

人生もまた同じで
「険しい地形=困難・障害」などに当たったとき
どうするのか?どう生きるのか?
その人の真価が発揮されるのだということ。


たとえ今困難な状況にあったとしても

水のように生きれば

情報や感情に惑わされず
淡々とし
順応し
耐え抜け
信(まこと)」を見失うことはない。

そうすれば
困難を乗り越え、肥やしにして
人としての器を大きくすることができ
次々にの人生のステップへと移行してゆくことでしょう。


●禅語
「行雲流水」

〜こうあるべき
〜しなければいけない
自分の価値観に縛られたり

いつしか自分の考えや感情が
何かに執着することによって
大局(客観性)を見失い

仕事がうまく行かなかったり
人間関係が悪くなったり
行き悩む
そんなケースが多々あります。

空を行く雲、流れる水のように

深く物事や感情に執着せず
自由な心であること
自然の成り行きに任せて
行動することを説いてます。


水は多くのものに恩恵を与え
自己主張をして他人と争うことも
無理に逆らうこともありません。

そして己の形に囚われることなく
柔軟にどんなものにも形を変えながらも
決して、その特性や性質を失うことはありません。

しかし、人は誰しも完璧な人ではなく
良くも悪くも「欲」があるので心が乱れ

「自然の摂理に従う」ということは
実際はなかなか簡単に実行できることではありません^^;


私たち現代人は
●常識に囚われたり
●ニュースやインターネットで得た
 あやふやな情報に左右さ心を乱したり
●「こうあるべき」だと
 強い固定観念・思い込みに縛られていたり

いつの間にか「自分」を見失ったり
情報や人の意見に流されがちです。

「生き方」に正解不正解
どれが一番良いというものもありません。

しかし、古典の言葉や自然から学ぶことは沢山あります^^

何かと慌ただしい
そして不安定な世の中だからこそ

地に足をつけて
水のように「どんな相手」や「どんな状況」にも
対応できる「しなやかな強さ」を持つことが
とても大切なように思います^^

今回、ピックアップした他にも
素敵な言葉が沢山あるので
ご自身の座右の銘などにしたり

あなたが
自分軸を変えることなく
姿形に囚われず

こだわりもなく
執着もなく
幸せに生きるための考え方として

心に留めていただけたら幸いです。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。


ネコのお告げ

猫と落語と陰陽五行を愛する
易経マスター女史@木花